9月30日 ワロン地方へ


昨日はフランドル地方だったので、今日はワロン地方へ。ワロン地方は、昔炭鉱業で栄えたが、そのままのマインドで来ているので結構補助金だのみだとか。さてどんなところだろうか。


せっかく南下するので、まず王宮で写真。



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ルイ16世風の建築様式というだけあって優美。友人曰く、ヴェルサイユを見てしまうとこぢんまりしてるね、とのことではあるが、大きいと思うんだよなぁー。


さて、ガイドブックに載っていたアルデンヌの古城巡りへ。
雰囲気はフランドル地方とは違った感じで、急に山がちになる。川からの蒸気で霧がすごい。奥地に迷いこんだなぁー!と不安になるほどである。

 

まずアンヌヴォワ城入口の便所。幼児用の椅子が個室外にある、って日本で見たことない。


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アンヌヴォワ城は、城とはいうがどちらかというと庭園で、水の自由落下のみで造られた噴水が多数ある。


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こんなところで毎日過ごしていたら素敵だろうなぁ、でも飽きそう。水路のCADでもあればもっと楽しいけど、公開してるかしら。宿泊施設もあるそうなのだが、さて何をするのか…。ここの黒鳥はとてもお行儀がよいので、わざわざ私たちの前に来て糞して向こうに帰っていった。


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ディナンには後で来るとして、次の城、ヴェーヴ城に。8世紀からある城らしいが、途中で破壊されたため、ものとしては13世紀のもの、18世紀に改築したものであるということだった。


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まず入口が見つからなくて、門の辺りをあっちでもないこっちでもないとうろついていたら、どうやらインターホンを押して、向こうが門を開ける方式だったようだ。城のところにたどり着いてもまた入口が見つからず、右に行ったり左に行ったり。
ほうほうの体で中に入ると、日本語の解説を渡してもらった。中は18世紀の調度品が多数おいてあり、皇太子殿下も昔訪れたことがあるそう。


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上階から軽快な音楽が聞こえたので部屋のドアを開けてみたら、ハロウィンの準備中のようでそっと閉める。ごめんね、フラマン語もフランス語も読めないの、もしかして「開けるな」って書いてあったのかもしらん。


「わーこれ西洋絵画で見たことあるぅー」というような、牧歌的な草原を抜け、ディナンへ。


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ディナンはアドルフ・サックスの出身地。街に入ると至るところにサックスの像がある。


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インフォセンターでちょうどいい地図がなかったので、とりあえずお昼ご飯。
ムール貝、量が多い…。食べても食べてもなくならない。この容器は普通に売っているそうで、みんなムール貝が大好きだそう。


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シタデル近くまで来ていたので、ロープウェーで向かう。階段もあるけど、408段はちょっと無理よねー。


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ガイドツアーでないと入れないところも多いので、無料のツアーに参加。
城塞都市であったディナンは、17世紀以降フランス、オランダ、ドイツと目まぐるしく支配者が変わり、常に川向うに砲台を向けていた。馬が一日に走れるのが30km程度であるので、同じムーズ川にある街はその感覚で置かれているとのこと。また、川を渡るのに税金をとるため近くに市庁舎が置かれるのが通例だが、みんな「料金所か!」って言っていたという。 


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ベルギーなので、ガイドツアーはフラマン語とフランス語のみであるが、案内人が気を利かせて英語でも説明してくれた。
途中からはパンフレットと同じことよ~と言われたので英語組は解散し、他の人よりも先に進んだが、一番最後のイベントが怖かった!
重い扉を開けると、そこには机に向かって俯く軍服を着た人形劇。歩き出すと突然の銃撃音!斜めになった部屋!
第一次世界大戦塹壕が傾き、上下の感覚を失う気持ちを味わってね☆という粋な演出である。

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一緒に入ったスペイン人の女の子と「こえーーー!」「こえーーーーー!!!」と言いながら進んだけど、ほんと心臓に悪い。


沈んだ気持ちで帰りのロープウェーに乗って気付いたけど、角度めっちゃ急なのな。45°くらい(体感は60°)だった。


シタデルで下を見下ろしているときに、案内人が「この道をまっすぐ行くとサックスのおうちがあるわよー」と教えてくれたので、道を進む。
一階部分が展示になっており、彼の開発途中の楽器の姿や、おそらく一番最初のサクソフォーンが置いてあった。


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よくよく見ると、A.Sax通りの看板に各サックスの説明があり、ソプラニーノからバスサックスまで(個人の意見も含まれていそうな)説明がなされていた。


ディナンに来たらどうしても買いたかった堅焼きビスケットが戻りしなにあったが、思った以上にでかい。変な顔のやつは直径30cm、7ユーロ。友達はもっと大きな魚を買っていたが、長辺50cmくらい。あとで試しに食べようと、小さなビスケットも購入してくれた。


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さて、ベルギーはいつまでも明るいのに案外時間は遅くなっている。まだ15時くらいかと思うと、18時くらいだったりする。
時間的に次の城、ラヴォー・サンタンヌ城の中に入るのは難しそうだったが、外観だけでも、と向かう。


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ちょっと降りて写真を撮ろうとしたら、なにかでかいものと目があった。ネットフェンスの向こう、大きな鹿の像があった。そこに生きた鹿もいるんですけど…。


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せっかくなので少し先まで歩くと、筋肉質な牛さんが。日本で見る牛よりも横幅が太い気がする。まるで闘牛である。



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近くに寄ってもなにも気にしない牛たちを写真に撮り、最後の目的地、シメイへ。


すでに夕刻は回っていたので、ディナンで購入した堅焼きビスケットを友人と半分こするべく力を込めたのだが、一向に割れる気配がない。友人に「うそー笑」と言われたがこちとら全力である。微妙にしなるので割りづらいのである。
思いっきり力を入れると勢いよく割れ(車に飛び散った、ごめん。)、私の手が少し切れた。
口に入れたところでそうそう直ぐには食べられない。頑張って割らなければならない。これ、私達とても大きなビスケットを購入してしまったが、大丈夫なのだろうか…。


なんとか完食して、高速を一路シメイに向かっていると、雲が空を半分に割っていてとても美しかった。前線か?地平線が見えるようなところだったので、地球が割れるんじゃないかと思った。


しばらくするとどうもフランスに入ったようである。交通標識の看板が変わり、違和感を覚える。道の名前も変わった。
カーナビの指示に従って進んでいると、街に出た。このカーナビ(アプリ)がすごいやつで、警察の取り締まりや工事状況が常におとしこまれ、SNSが反映する。
なので基本的にはこれに従って走れば問題ないのだが、この街で今日お祭りがあったため、指示された教会前を通るルートは行きどまりだった。
ざっと地図を見たところ、別ルートが取れそうだったので、森の中をひた走る。日暮れ1時間前という、微妙なタイミングだったが、なんとか元のルートへ戻ることができた。
不思議なのが、このルートをgoogle mapで再度探そうとしても見つからないのである。おそらく、フランスの自然公園だったと思うのだが、なぜだ…どこにあるんだ…。


やっとの思い(をしたのは友人である。)でシメイにたどり着く。
ベルギーに来たらやっぱりベルジャンビールよね!と、シメイビール4種飲み比べである。一番軽い5%のビール、日本で売ってないと思う。軽い口当たりで、所謂日本のラガーに近い印象。


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ひとしきり堪能するとすでに外は真っ暗。道をひた走り、おうちへ。


もう遅いので、おやすみなさい。