10月4日 ルクセンブルクへ



今日はボンからルクセンブルグへ行き、ブリュッセルに帰る予定である。6時間くらいは電車に揺られている予定であるので、本日は朝早くから活動を予定している。


朝、6時半に起床し、明るくなってきた7時半にチェックアウト。まだ少し暗さが残っていたが、同じタイミングでホテルを出た集団と同じ方向へ進んだため、安心して歩くことができた。昨日、歩くのをためらった理由の一つに、近くに旧墓地があったこともあるのだが、明るくなってみればなんと言うこともない墓地である。


市街地に入ると、だんだんと人通りが多くなってくる。まずは、朝市のあるMarkt広場を目指す。歩いていると、広場が見えてきた。ベートーベンの像があり、実に立派な広場である。


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朝市らしきものはないが、今日はお休みなのだろう、それよりも昨夜からチョコレートしか食べていないため、いそいそと広場前のカフェに入って本日の予定を立てる。


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そこでやっと気づいたのは、ここは目的の広場ではないということ。まずはボンからの電車の時刻を確認し、Markt広場を見に行っても十分間に合うことを確認する。店を出てしばらく進むと、HARIBO Storeが見えてきた。友達と来たらここに寄りたいと話をしていたなぁ、まだ時間前で開いていないため残念ながらスルーしようと思う。しかし、HARIBO Storeは目指す方向にはない。慌てて元来た道を戻り、Markt広場に到着した。


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確かに朝市がある。道路の一部が広がったような、あまり大きくない広場である。ボンは、そこまで見るものはないのかも知らん、と駅まで戻ることに。


さて、昨日は怖いと思った駅であるが、何ともないところであった。おそらく、U-Bahnからの地上出口に水がたまっていて、清潔な感じがなかったのが大きな原因のようだ。


何はともあれ切符を買わなければならない。2つ並んでいる券売機のうち、空いていた古いほうの機械を操作する。しかし、駅名で「lux」を検索しても出てこない。3度ほど試したが変わらない。駅員のいる場所を探すもそうした案内所はない。もう一度券売機に戻り、今度は新しい方を操作すると、「国外」のタブが。こちらから検索すると、「luxembourg」が見つかった。これで一安心、と出てきた切符を手に、ホームへ向かう。


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まず、ICに乗ってKoblenzへ行き、そこからREに乗り換えLuxembourgまでおよそ3時間の道行きである。しばらくすると、車内検札の車掌さんが来た。先ほど購入した切符を見せると「これは切符ではなくレシートだ」とのこと。いやいやそんなそんな、と改めて見るとno validの文字。昨日ケルンからボンまで購入したものと確かに大きさは違うのだが、国外に出る場合には違う切符が出るものと思っていた。切符は券売機に忘れてきたのであろう、どうにももう一度買う必要があるらしく、私の55ユーロは宙に消えた。よっぽどの顔をしていたのだろう、車掌さんはボックス席の前に座り、どこから来たのか、どこへ行くのかいろいろ聞いて慰めてくれた。

 


KoblenzでREに乗り換えると、先ほどのICと違い2階立て車両である。最初、1階に席を取ったが、2階の方が楽しそうだったので、途中で席を変えた。2階の席の埋まり具合は6割程度といったところで、適当な席に着くも、窓枠で外の景色が十分楽しめず、別の席に再度移る。車両一番後ろの、足下に段差のある席で、非常に快適である。こちらの座席は少し高くて、足がきちんと付かず、疲れてしまう。しばらくするとTシャツとジーンズの車内販売員が来たので、コーヒーを頼む。同じような景色を横目に見ながらぽちぽちと日記を付けていると、スペイン人の家族が乗車してきた。席が足りないようだったので譲り、別の席へ。前の座席の女の子がこちらをのぞき込んできた。どうやらアジア人は珍しいようだ。取って食ったりしないよ~と笑顔を返すと顔を引っ込めてしまう。だんだん飽きてきたようで、ABCの歌を歌い出すが、何語なのかぜんぜんわからなかった。

 


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さて、いよいよルクセンブルグに到着した。駅舎はきれいで、人もたくさんいた。まずは、とトイレに行くと、ここではあらかじめ0.7ユーロを券売機でトークンに換え、それをターンスタイルゲートの投入口に入れるスタイルである。券売機はお札も使えるタイプのため、自動化が進んでいるということだろう。ベルギーでは入口に人がいて、お金を払うことが多かった。ここにも人はいたが、主に券売機の説明をするためであった。自動化されているのか?


さて、荷物を預けようかとも考えたが面倒くさい。駅を出て道を進む。ルクセンブルクは建物が大きい。おそらく、このエリアは京都で言うところの七条くらいで、中心部からはずれたところに駅ができたということであろう。また、金融国家であることもあり、銀行系がとても多かった。

 


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かなり暖かい日で、アドルフ橋までに少し汗ばむくらいだった。ここまで来ると、グルントといわれる低地部分と城塞の様子がはっきり見て取れる。来るものすべて拒むような高い砦は、10世紀に築き上げられたものだということだ。

 


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まずは憲法広場へ。立憲君主制国家であり、唯一の大公国であるとのこと。


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ここから美しい眺望が広がり、多くの人が写真を撮っていた。まずはインフォセンターで地図をゲットし、大公宮へ。夏の間は一般公開されているそうだが、今の時期は開いていないらしい。一生懸命探すも、どうにも見あたらない。昼ご飯にちょうどいいところを探しつつ街をぐるっと巡るが見あたらない。と思ったら、目の前が大公宮であった。


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市庁舎だったところを改装して使用しているため、質素な建物であるということだ。そのまま5分程度進むと、名所であるボックにたどり着く。

 


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ボックの地下部分は7ユーロで入ることが出来、探検気分が味わえる。真っ暗な箇所もあり、そこは怖くて階段を上ることができなかった。外が見える箇所には、たまに砲台が置いてある。こうした一つひとつはおそらくレプリカであろうが(その表記はない)、この15分ほどで回れる小さな街を守るために、いかに重要であっただろうか。この中がまるで迷路のようになっており(迷路のように感じたのは、地図を見ていなかったことに寄る)、時に階段を登り、また降りる場所では「怖いぃ~~~」「怖いぃ~~~」といいながらでないと歩けないようなところもあった。


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途中では、「この先はもう行き止まりやで」というお兄さんや、「やぁ、また会ったね、お嬢さん」という紳士など、私はこの迷路から出られなくなっているのではないか、と錯覚するような状況にまでおちいってしまった。とはいえそれほど大きな場所でもないので、すべてを見たことをパンフレットで確認した後、外へ出た。出口を出ると、太陽がまっすぐ差し込み、目がくらむようだった。


ガイドブックでは、「3つの門からグルントへ」と記載があったので、そちらへ向かう。3つの門は小さなもので、変わった建築物であると言うがこちとらベルギーに来てから変わった建築物しか見ていない。ふーんという気持ちでグルントにつながる道を地図で確認していると、カップルに写真を撮ってくれと頼まれた。こういうとき、かけ声は何というのだろうか。よくわからないので「one、two、three」と2枚ほど写真を撮って別れる。そういえば、この旅の間自分の写った写真はディナンで取ってもらったA.Sax(銅像)とのツーショットだけである。なかなか乙な旅行をしている。


さて、グルントの方に回ると、平日のため、行く手を草刈りしているおじちゃんに阻まれている。少し困っていると、「どうぞどうぞ、おーい、開けて差し上げろ」ととても優しい。行く先に進んだところのお兄ちゃんはちょっと無愛想ではあったが、仕事を邪魔しているのはこちらであるので、お礼を言って通り過ぎる。その先には橋があり、ここから低地帯である。先ほどいたところを見上げると、首が痛くなるほど遠い。


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この崖を乗り越えることは、一瞥しただけで諦めてしまうような急峻さである。さて、先へ進むと、修復中の家があった。外側のモルタルをはずし、中の石組みが見えているのであるが、こんなもの日本にあったら震度3で倒壊する。このグルント、日中は特に人気もなく、問題なく歩けるが、日が暮れると少し暗くて避けた方が良いエリアであるとのことである。

 


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さらに西へ進むと、アーチの姿が美しい高架橋が見えてきた。あまりに高いところにあるので写真を撮る首が疲れる。


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駐車場があるため、2、3の家族はいるが、その先まで歩いていく人たちはいない。少し不安である。歩いていくと、思った以上に人がいた。紅葉した木立のところをゆっくり歩く人や、斜面に座っている人等、思い思いに過ごしている。


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リードにつながれていない飼い犬2匹が喧嘩していたので、狂犬病をおそれ少し距離を取った。こちらでは犬をリードにつないでいないことも多い。さすがに電車などの公共交通機関では「リードにつないでください」との記載があるが、それ以外では堅いことは言わないようである。


ずんずん突き進んでいくと、テニスコートや工事中のエリアを左に見つつ、先ほど渡ってきたアドルフ橋が見えてきた。


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ここで気になるのは、この高さをこれから上らなければならないということである。憂鬱だ。アドルフ橋を過ぎた先から登り始めるが、汗だくである。登り切ったところではおばあちゃん、おじいちゃんの自転車集団が待っており、私よりよっぽど若いわぁ、なんて思った。


一通り見終わっていたので、ここから駅に戻る。周りには半袖になっている人も多く、ここ数日のうちで最も気温が高いのではないかと思う。そういえばお昼ご飯を食べていない。先ほどパンをくわえた女子が歩いていたのを見たので、電車の時間もある、クロワッサンを購入して歩きながら食べる。駅に着くと、もう電車の出発まで20分程度である。友達へのおみやげでも買おう、とKioskへ行くと、先ほど市街地でたくさん見た旗に記載されていたビールがある。これは、と検索すると、ルクセンブルクのビール会社であるということで、50cl×4本を購入。お客のおじさんに「なんやこのアジア人・・・???」と不審がられたのも納得である。トイレを済ませ、先ほどKioskで水を買い、ホームに向かうと、すでに電車が来ていた。


慌てて乗り込むと、まだ座席が2割埋まる程度の乗車だったが、発車時刻になると5割程度は埋まっており、私の向かいにもおじさんが座った。いよいよルクセンブルクもお別れである。何も問題なく過ごせ、とても良い街であったなぁと後にする。


途中、ナミュールのまちで大学生がたくさん乗ってきた。彼らは三々五々ワロン域内で降りていったので、やはり言語的に障壁があるのであろう。入れ替わり立ち替わり変わっていきつつ、ブリュッセルが近づいてくる。


降りる予定の駅はBrussels-Midiである。ルクセンブルクから乗ってきているので、当然南から杯って行くものかと思いきや、Brussels-Nord、Brussels-CentreからMidi駅に来た。ブリュッセルの北側で働いている友達にわざわざ治安の悪いと噂の南駅に来てもらうなんて申し訳ない・・・と思いつつ、ショルダーバッグのチャックを手前に持って、万全の体制で駅を出る。


待ち合わせのハーゲンダッツで友達が見あたらず、もしかすると外側にいるのかも、と一周するが見あたらない。もう一度中へ入ると、友達が見つかった。どうも、緊張しすぎて見えていなかったらしい。


さて、やはりブリュッセルで行っておきたいのはグランプラスである。以前訪れたときにも、素晴らしい景色だった。友達にお願いして、連れて行ってもらう。


車を降りて広場へ向かうと、圧巻である。白い建物が建物がきれいに照らされ、広場全体が光っているように見える。


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観光客も多く、みな写真を撮っている。しかし、何はなくとも腹ごしらえである。こちらでよく食べられるものを聞いたら、ムール貝とロブスターであるというので、ロブスターを食べにPoissons市場へ。


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ここは、北海に繋がる運河のあったところで(今は埋め立てられ、広場になっている)、魚介のおいしいお店が多い。Rugbymanというお店でコース料理を頼み、友達にボン~ルクセンブルクの話をする。


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ロブスターを食べるときには、蟹をほじるやつと同じ器具をもらえた。ちゃんとロブスターの絵が描いてある。エプロンにもロブスターの絵が描いてあり、観光客大喜びである。料理はどれもおいしく、量も十分である。


歩いて駐車場に戻る途中、怪しい像を見つけた。ブリュッセルのキャラらしいが、そんなたくさん見た覚えはない・・・。

 


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さて、今日はおいしいご飯を食べ、大満足の一日である。本日はおやすみなさい。