10月3日 今再びのドイツ

友達が頑張ってお休みをもぎ取ってきてくれたので、本日も車を出してもらって旅行する。学生時代の旅行と今回の旅行で、ベルギーの主要な街はほぼ訪れたことになるため、ブリュッセルから比較的近い、ケルンの街へ。

 


ケルンに行く前に、デュッセルドルフの街に日本人街があるというので、まずはそこを目指す。途中、高速道路の表示が変わる。ブリュッセルを真西に進むと、オランダを通ることとなる。東京の町田みたいな者である。トイレ休憩のため、高速を降りてみると、普通の街だった。こっちではよく見るサブウェイでコーヒーを購入し、お手洗いを借りる。こちらに来てから思うが、トイレはだいたいとてもきれい。手を拭くところが必ず設置されている。


さて、車に戻って先を急ぐ。ガイドブックを見ていると、さすがヨーロッパ、日本にはない、キリスト教由来の祝日があることを発見。「これはあった?」「これはどう?」と確認していると、10月3日の欄に「ドイツ統一の日」とある。ドイツでは、祝日をきちんと取らなければならないと聞く。一抹の不安・・・。それを吹き飛ばすように、車のスピードを上げる。高速道路の最高速度は、ベルギー120km/h、オランダ130km/h、ドイツ無制限(工事エリアなど、一部例外あり)である。比較的まっすぐな道路が多いため、ベタ踏みを続けると、202kmまで出た。すでに130km/hが遅い都感じられる状況である。周りでここまでとばしている人はほとんどいなかったので、無制限とはいえみなさん理性的に運転されているようである。


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さて、デュッセルドルフの街に到着するも、人影はまばらである。

お店のたぐいもほとんど営業しておらず、目的であった日本語の本を置いている「高木書店」も休業日であった。駐在している間、子供の教育のため、日本語のドリルが人気なのだそうだ。ほとんどのお店が閉店している中、いくつかのお店やホテルは開いており、日航ホテルを訪れてみると、外国人(というのも変だが)も宿泊しているようだった。また、さすがにトラムは動いていた。鉄道、緑化されてますねぇ


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さて、お次はケルンである。高速道路を走っていると、前方左前に2つの尖塔が見えてきた。だがケルンまでは7kmもある。まさかまさか・・・のそのまさかで、これがケルンの大聖堂であった。街中に車を進めると、デュッセルドルフと異なり、大賑わいである。駅近くの地下駐車場に車を泊めて地上に出ると、そこはすでにケルン大聖堂前の広場だった。

 


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縮尺がおかしいのか目がおかしいのか、大聖堂から離れても離れても全容が見えてこない。広場の端まで来てやっと全体がわかるほどに大きい。そしてなんだか汚い。いくつか足場がかかっていたことと、きれいになっている部分があることから、おそらくは掃除をしているのだと思うが、日常的な掃除は届かないのだろう、黒ずみが多数見られた。


中にはいる前に、まずは腹ごしらえ、ということで、目抜き通りであろうHore Str.を進む。進む間に無印良品を発見!日本食に飢えている友達は、無印良品レトルトカレーに助けられているそうだが、残念ながら本日はドイツ統一の日であり、お店は開いていなかった。


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さらに進むと、サックス、ベース、ギターのコンボでジャズを演奏しているおじさんたちに遭遇。ちょっと驚くほどのうまさであるが、あまり関わらない方がよい気もするので先を進む。服装がこぎれいだったので、おそらく趣味で演奏している人たちだとは思うが。


さて、人通りも少なくなってきてしまったため、Buergerstrasseを大聖堂に向かって戻る。途中で休業日の香水博物館を覗く。オーデコロンは「ケルンの水」という意味なのだそう。何ともいえない、ちょっと不気味な人形が飾ってあったが、こちらの人はかわいいと思うのであろうか。

 


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めぼしいお店もなかったのでガイドブック1番上にあったのBrauhaus Sionへ。店内は入口の具合から想像していた以上に広い。団体客が余裕で入れそうな具合である。


お手洗いを済ませて戻ってくると、お店の人がビールを置き、コースターに2本線を引いていった。友達に聞くと、食事とビール頼もうかと思っているんだよね~とは言ったとのこと。どうせ頼むのだから親切である。こちらに来てから、一つの料理を一人で頼むのは量が多すぎると感じていたので、サラダとソーセージを注文した。取り分け用のお皿を頼もうとしたが、伝わっておらず追加のビールが来たため、あきらめて大皿のままシェアした。

 


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こちらの飲酒運転については、ビール1杯程度であれば特に問われないとのこと。ケルンの地ビールケルシュ」は20clで出すのが一般的らしく、2杯程度であれば何ら問題ないそう。アルコール分解能力が日本人とは異なるため、ある程度は許容されているのだろう。そういえば、友達が会社で飲み会をする際には、みんな1~2杯程度で終わらせ、泥酔する人は以内ということだった。


閑話休題
さて、おいしいご飯を食べて、いよいよケルン大聖堂である。外観もすごかったが、中も素晴らしかった。ステンドグラスを多用しており、折しも晴天だったことで、室内は様々な色に満たされていた。


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ステンドグラスは、ものによっては幾何学的なものもあり、建築当初からすべてあるわけではなさそうだったが、どれも美しい。また、床のモザイクも緻密で、これを今作るとしたら何億円かかるか、どこの会社っぽいか等、話題は尽きなかった(おそらく鹿島だろうねってはなした)。


今日、友達は夜に用事あり、ボンまでは時間的にいけそうにないことから、ケルン解散となった。まだ時間があるため、ローマ・ゲルマン博物館へ。


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大聖堂の隣にあるこの博物館では、周辺で発掘された紀元前からの遺物が多く展示されている。ただ、説明の多くがドイツ語しか書かれていないため、詳細な内容はわからなかったが、20世紀も前に、今と遜色ないガラス細工があったことなど、多くを知ることができた。


本当は、チョコレート博物館にも行きたいところだったが、近くの駐車場が満杯だったため、諦めて友達と解散する。ここから再び一人旅である。


まずは、泊まるところが確保されていないと不安で仕方ないので、ボンのホテルを確保する。ベルリンと同じ系列のホテルにしたのでひとまず安心である。バウハウス展示館を訪れることができなかったため、ケルンの現代美術館にて、その欲を満たすことにした。


現代美術館は、これも大聖堂隣にある建物で、カンディンスキーピカソアンディ・ウォーホール等が飾ってあった。


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オステンドの現代美術館はよくわからなかったが、こちらの方はとても楽しく見ることができた。特に、アンディ・ウォーホール等のアメリポップアートを見ていると、身近なところの芸術を見いだすことへの熱量と、「芸術」への反骨精神みたいなものを看取することができた。これだけの量の作品が一同に会し、常設展として普段から見ることができるというのは、強みであるなぁと思う。ただ、友人も言っていたが、こういうところにいるのは白人が多く、芸術へのとっかかりには差があるのではないか。


さて、十分に堪能したところで、閉館時間が近づいてしまった。作品集を買う時間もなく、慌てて駅へ到着すると、電車が30分遅れているようだ。今回の旅は電車トラブルばっかりだなぁと思い、何とか切符を買って、時間までホームで過ごす。どうやら該当する電車が来たようだが、不安だったため優しそうなおじさんを捕まえ、Bonnに行くか尋ね、お互いBonnボンBonnボンうるさくなってしまった(最初、Bonnが伝わらなかったのか、行かないよ?といわれたものの、Bonn?Bonn!行くよ行く!とのこと。)


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2等席に乗り込み、しばらく車窓を堪能する。IC(インターシティ)とはいえ、日本の新幹線と違い、駅をとばすだけでスピードは上がらない。何なら山手線より遅いところも多い。ぼんやり30分程度乗っていると、今夜の宿、Bonnに着いた。


すでに時刻は19時、日没は19時半頃である。駅前は改装中でベニヤ板の囲いがあり、何とも暗い印象である。歩いてもいけないことはなかったが、少し怖かったので、グーグルに聞いて最寄りのバス停まで歩く。


バス停で切符を買っている間も、なんとなしに怖い雰囲気がある。気にしすぎな気もするが、バスを待っている間、こちらを目指して歩いてくるような人がいたため、到着したバスに急いで飛び乗る。街の雰囲気がわからない夕方に到着することは、今後一切やめようと決めた。


さて、宿の近くに着いた。もう暗いし、外を出歩くのも怖いので、最寄りのスーパーでご飯を買おうとしたところ、本日はドイツ統一の日、スーパーは閉店している。仕方なしにホテルへ直行し、部屋で明治チョコレートでしのぐことに。あまりおなかが空いていなかったのでこれで十分であった。せっかくなので早寝しようと思ったが、この日記を書き出して、思ったよりも寝るのが遅くなってしまった。


本日はこれにておやすみなさい。